ヘレディタリー/継承を見た感想

アマプラで視聴。

怖いという噂はうっすら耳にしていたが、あまり期待せず前知識ゼロで見てみた結果、メッチャクチャ怖かった。

見終わったあとも心を蝕む恐怖というか呪いというか、じっとり重い嫌な気持ちが続いている。

 

お祖母さんが亡くなったので葬式をしますよ、という所から始まるのだが、葬式には見知らぬ人がたくさん参列していたり、お祖母さんの孫にあたる女の子が不気味な雰囲気を漂わせたり、お祖母さんの遺言には「全てを話せなくてごめんなさい」と書いてあったり、そんな不穏なシーンが静かに展開される。

どのシーンをとっても、じっとりと粘り気を帯びた重々しさというか執着というか圧があった。全体の2/3までは間延びした感じを受けていたが、後半1/3はこの粘り気のおかげで体力をがっつり消耗してしまった。

さらに音楽が秀逸で、なにやら見知らぬ異文化の禍々しさだけを抽出したような音が脳髄に注ぎ込まれる感覚で恐怖心を煽りに煽られた。

血筋から逃れられない理不尽さと、あたおかな人達から狙われる恐怖と、家族でさえも敵か味方か分からなくなる絶望と、三位一体となった映画だった。

最後は三位一体を拒否するというコトではあったが。。。