目の上のデキモノの除去の手術の後のボンヤリ世界

右目の瞼にデキモノが出来て数年間。大きくもならず小さくもならず痛くもかゆくもなく邪眼として開く気配もなくどうでもよかったのだが、リモート会議でやたら目立つ気がしたりなんかこれまで「ヤバない?」と何人かに言われたりしたので取り除くことにした。

眼科に行って診察を受けたところ「ものもらい」ができる場所とは異なるのでなんだか分からないが、悪性のものでは無いように見えるとの話で無事手術をする運びとになった。

眼科専門医というのになるには、医師国家試験に合格してから6年間もの臨床研修を終えやっとなれるらしい。今回担当してくれた医師は若く初めての手術って感じで、院長先生の立会いと指導のもとでの施術となった。

最初に瞼に麻酔を打つ際に「眼球を守るために瞼と眼球の間に金属の板を入れますねー」と言いながらスッと入れられるのだが、この異物感がいよいよ有無を言わさぬ手術が始まったのだと覚悟すを決めさせてくれた。そして麻酔を何か所かブツブツと打たれるのだが、これがかなり痛くて拷問チック。歯を食いしばってなんとか耐えた。本当の拷問なら絶対に耐えられないと、拷問耐性ほとんど無いと、分かったのは収穫だった。3分後に麻酔が効いたか確認するために瞼を機械でつねるか何かされて「どこか痛いですか?」と聞かれるのだが「瞼の内側が痛い」と伝えたところ「そんじゃあ瞼の裏にも麻酔を打ちましょう」ということになった。なんか怖いなーと思いながら瞼をめくられたがなかなか麻酔を打たれない。院長先生が「もうちょっと、もっとギリギリを狙って、そうそうもっともっとギリギリをね」というアドバイスをしていたのが気になった。何のギリギリを狙っていたのだろう。

「あ、ガーゼ足りなかった。持ってきて」「最初は小さな刃のやつね」「もう大きい刃で大胆にいっても大丈夫」「何かに繋がってないか確認して」「きれいに取れたねー」「これは何なのか分らんね」「2針でもいいんじゃない?」「いや3針行きます」「あ、真ん中がほどけそう。甘かったのでやりなおします」とかいう声を聞きながら麻酔のおかげて全く痛みを感じずに手術完了。

取り出したものを見せてもらったが、白く濁りがあるもののやや透明な謎の物体だった。病理検査に出して調査するそうな。

 

その後右目は眼帯をしてふさぎ、1日を左目だけで過ごすことになった。不同弱視で左目は0.2程度なので世の中のほとんどがボヤーっと曖昧な姿になってしまった。スマホの文字は全く読めない。誰からLINEが来たかさっぱりわからんし内容もわからん。自分で打った文字もわからん。目を近づけても読めないことを知ってかなりショックだった。近視じゃなくてなんか違うやつだと思う。ピントを合わせる機能自体が失われている気がする。これからは左目をトレーニングしておかないといざというときに失明とほぼ変わらない状態になってしまうと知った。

何も読めないので買ったまま聞いていなかったオーディオブックを聞いたりした。これはとても素晴らしいものだった。目が無ければ耳でいいじゃない。

 

痛み止めなどを貰ったのだが、ほとんど痛みを感じないまま1日が過ぎたので飲まなかった。

抜糸までの一週間はフランケンのような右目で過ごすことになる。